2008年2月28日木曜日

地方 競馬

うまやもん―変わりゆくニッポン競馬の現場

競馬と一口に言われますが、多くの人が思い浮かべる競馬は日本の場合、中央競馬であることが多いと思います。しかし、日本には、もう一つ地方競馬も存在しています。同じ競馬なのですが、別々の体系で存在していて、日本という制度の閉塞感を表す象徴のように語られたりします。ここ数年地方競馬は苦境に立たされています。この地方競馬で働く人たちの視点で描かれたノンフィクションです。地方競馬には、「うまやもん」と呼ばれていた伝統的な日本の馬文化の匂いが今でも色濃く残されています。この競馬文化を大切にしてほしいという主張が込められています。苦境に立つ地方競馬の様子が集められていて、その状況を知るのに役立つのは間違いないでしょう。高知競馬の100連敗を記録して時のヒロインとなったハルウララの物語。島根県益田競馬場、大分県中津競馬場の閉鎖に伴う人と馬のドラマ。疲弊する馬産地・北海道の様子。日本の競馬を支えたアラブ種が競馬から消されてゆく有様。競馬界の繁栄する側と衰退する側の事情など現在の日本の競馬のリアルな姿を捉えています。こういう内容を描きながらも、馬を愛する人たちのエピソードがふんだんに紹介され、競馬場で走る馬が見たくなり、次第に地方競馬を応援したくなってきます。著者の情熱が伝わってくるようです。重い話題ですが、著者の軽妙な語り口が程よく、読みやすい文章でした。競馬に興味のない方にも読んでいただきたい本です。

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